
もう、一週間も経ってしまいましたが、東京都美術館で始まった「奇想の系譜展」を見てきました。
TVのあれこれで放送されると、混雑しそうな気がしたのと、
2016年に開催された伊藤若冲展が連日の混雑(45万人も見たという)で、社会現象までなってしまい
見逃しせざるを得ず残念な思いをしたので、また今回はその若冲の初公開になる絵も
あるというので、早めに見てきました。
行列はしていませんでしたが、混雑していました。
特に男の人にこの展覧会の絵は人気があるのか、比較的高齢の男性が多かったですね。

美術史家、辻惟雄さんが1970年に著した著書『奇想の系譜』が、50年近くたった今も読まれていることに
美術史家の山下裕二さんが監修して展覧会が開かれたようです。
当時の美術史ではあまり評価されていなかった岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、
歌川国芳をとりあげ、「奇想の画家たち」として再評価をうながしたようでした。
18世紀の江戸時代、ほぼ同じ時期に活躍した豊かな想像力の絵師たちの命溢れる作品の
数々の展覧会でした。
私が見たかった伊藤若冲の襖絵も、色鮮やかで、自由で、躍動的。
古い中国の絵を模写したという、見たこともない象や鯨を描いた水墨画の屏風や
大作で精密ないのち溢れる、鮮や孔雀の絵図。
まだ若し頃の雄、雌の鶏絵図などじっくりと見せて頂きました。
近年の「江戸絵画ブーム」と言われる所以でしょうか、私たちが美術館を出るときも
ぞろぞろと入っていく人たちの波にちょっと驚きながら。
日本画は、同じルーツのせいかすんなりと感性が伝わってくるような気がしました。
次は何度見ても飽きない、北斎展を見たいと思っています。